毎年平均で新規顧客が三〇パーセントずつ増えていたのに対し、既存顧客は前年比一四パーセントしか落ち込まなかった。つまりリピート率八六パーセントを確保できたのである。この「プラス三〇」と「マイナス一四」の単純計算で、十一年間の平均成長率一六パーセントとなる。新規顧客の積み上げ三〇パーセントについては、正直なところ私にはあまり大きな感慨はない。もともと営業は得意ではないし、向いているとも、好きだとも思ったことがないから、この数字に胸を張ってすごいだろうという気にはなれないのである。
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事実、もっと営業の上手なコンサルタントは世の中にいくらでもいる。もし私に誇れるものがあるとしたら、毎年一四パーセントしか減らさなかった既存顧客のほうである。経営コンサルティングという仕事の特殊性を知らない人には、私のいっていることは理解できないかもしれない。一四パーセントの意味を詳しくいうと、前年にコンサルティングを発注してくれたクライアント企業百社のうち八十六社が、翌年もまた仕事を発注してくれたということである。