私も一時期、自分の将来に大きな不安を感じたことがありました。もう結婚して子供も生まれた後のことですが、「もしも今、ひとりになったら生きていけるのだろうか。手に職もなく、特別な資格もないままで生きていけるのだろうか」と考えたら無性に不安になり、ビジネススクールの秘書科に通い始めたのです。半年間、まじめに通って速記やタイプを習いました。でも、どうしても好きになれませんでした。上達もしませんでした。とくに自信のないタイプの試験など、「ヨーイ」と言われただけで手がふらっと動いて失敗してしまうのです。適性がないのだと、つくづく悟りました。やはり自分はこういうことには向いていない。家で料理をするとか、子供に勉強を教えているほうがずっといい。一生懸命に家事をやっていれば、生活に困ったとしてもお惣菜屋さんをして生きていけるかもしれない……。それに人間が存在する限り、ちゃんと子供に勉強のしかたを教えてあげることは必要だ。そう自覚したときから気持ちはずいぶん楽になりました。子供達に「勉強のやり方を教えてあげる」ことが私の特技だとあらためて気づいて落ちついたのです。