フリンジ・ベネフィットを優遇する仕組みは多岐にわたる。住宅金融公庫は社宅建設に対する低利融資を一九五三年に開始し、その増大を後押しした。社宅建設と土地取得は、借入金利子の損金算入が認められたことから、節税効果を生んだ。フリンジ・ベネフィットの優遇策は企業だけではなく、雇用者に利益を与える。社宅に住む社員は、低廉な家賃と市場家賃の差額を「所得」として受け取る。この「所得」は理論上の課税対象である。しかし、社員が「通常家賃」の半分以上を負担している場合は「所得」を非課税扱いとし、「通常家賃」を市場家賃とは比較にならないほど低いレベルに設定する仕組みがある。
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この仕組みのもとで社員の「所得」は課税を免れる。これに類似するメカニズムが住宅融資に適用された。企業の利子補給による低利の住宅融資は、利子率が一定水準を下回らない場合は非課税扱いになる。企業の福利厚生制度に依拠する住宅システムは、人びとの全員に貢献するのではなく、労働市場での地位を住宅条件の「有利/不利」に直結させる。