化粧品業界は日本のマーケティングをリードする

2011.05.16

昭和二九年の経済恐慌を脱出し、「もはや戦後ではない。回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代化によって支えられる」と報告したのが三一年の経済白書、当時の活発な経済状況を分析し、戦後に終焉を告げるとともに高度成長時代の幕開けを宣言した名文である。三種の神器と言われた白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫が急速に普及した時代であった。日本でマーケティングの概念が導入されたのがその一年前の三〇年である。三〇年一〇月、日本生産性本部の米国視察団が帰国したとき、当時東芝社長の石坂泰三団長が羽田で記者会見を行い、「これからはマーケティングを重視しなければならぬ」と語った。同じ記者会見での「アメリカでは、まず消費者に対する責任が第一で…」という発言から、「消費者こそ王様」という言葉が誕生する。この後、大量生産、大量消費を中心とした高度成長期に結びつき、「マーケティングはモーケティング」というキャッチフレーズが流行するまでになった。昭和三二年には日本マーケティング協会が設立され、国をあげてのマーケティングブームが訪れる。なかでも化粧品業界は消費財産業の先鋒として日本のマーケティングをリードする重要な使命を果たすこととなる。
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